朝の番組「スッキリ」で話題となった「Nizi Project」。
韓国の芸能事務所JYPエンターテインメントと
日本のソニーミュージックが合同で行った
アイドルグループオーディション。
先日、最終合格者9人が発表されましたね。
約一年間、彼女たちの成長や葛藤に
心を打たれた人も多いんじゃないかな?
私がこのプロジェクトで印象的だったのは
総指揮をしていたJ.Y.Park氏が紡ぐ名言。
これは、アイドル飽和ともいわれる現在の日本において
夢見る全ての人に向けたメッセージで
日本の音楽や芸術が世界にもっともっと羽ばたくための
キーワードがたくさん詰まっているな~と思いました。
その名言の中でも、50回ぐらいうなずいてしまったのが
プロジェクトPart1の第2話で放たれた厳しいアドバイス。
”「僕たちはみんな1人1人顔が違うように、1人1人の心、精神も違います。
見えない精神、心を見えるようにすることが芸術です。
だから自分の精神、心、個性が見えなかったらそのパフォーマンスは芸術的な価値がないです」”
深すぎる~!!!
これを聞いて、ふと昔のことを思い出しました。
私も実は、演出家の先生に似たようなことを言われたことがあります。
「役者はとても恥ずかしい仕事だ。全てを見られてしまうんだから。」
この言葉を聞くまでの私は、役を演じたり、曲を歌うとき
その役になりきることが大切だと思って
役の背景や、歌詞の意味ばかり探求していました。
でも、観客は役の先にある、役者の生きざまやアイデンティティを
見に来ているということ教えていただき、衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
あなたが今聞いている音楽、
選んだ理由をはっきり答えられますか?
声が好き、
歌詞に共感して、
リズムがかっこいい、
何となく良い・・・。
その、あなたが何となく好きと感じたものを作っているのは
実は、歌やパフォーマンスの技術だけではなく、
そのアーティストの生きざまやアイデンティティなのです。
歌を教える立場にいると、
とても多いのが、
好きなアーティストになりきって自分の声を知らない人。
上手な人のまねをすることは、上達の近道とも言われていますが
そこで終わってはただの「ものまね」。
これは以前書いた「自分らしく演奏できている?」
という記事にもつながります。
特に日本人は、わびさびの文化が根強く
自分の意見をはっきり言うことが苦手、
批判されるのが怖いと思っている人が多いですよね。
だからこそ、芸術の世界でも、個性を出すことを恐れてしまいます。
でもね、私がかつての演出家に言われたように
隠しても、ばれちゃうんです!
特に歌は、その人となりが出やすい芸術だな~と思います。
だから、個性を出そう!と努力するより、
普段どう生きていて、どう考えているかが
既にあなたの素敵な個性なんですよね。
こんなに技術が発達してどの分野にもAIが活躍する時代ですが
芸術だけは、人の生きる証として、残していかなければいけないと私は思います。
人にしかできないもの。
あなたにしかできないもの。
それが芸術。
あなたの芸術。
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