「あなたの今日の気持ちは、どんな曲?」
先日、駅前の駐輪場に入っていくと
中から誰かの歌声が聞こえてきました。
立ち並ぶ自転車の奥を覗くと
そこで働くおじいさんが
箒のリズムに合わせて
愉快な鼻唄を歌っていたのです。
定年退職後の再雇用と窺えるそのおじいさんは
なんだか田舎の父と姿が重なり
ひんやりとしてきた秋の空気を
すっと温めてくれました。
そして、その鼻唄で思い出されたのは
幼い頃の台所に立つ
母の姿でした。

フルタイムで働きながら
私たち3人兄弟を育てた母は
いつもどこか疲れていました。
そんな母を助けたい一心で
私と姉は、良く母と一緒に夕飯を作りました。
そんな時母は、
時々何の会話をするでもなく
鼻唄を歌いながら料理をする日がありました。
「お母さん、何か良い事あったのかな?」
その日は子供ながらに
とても嬉しい気持ちになったことを
今でも鮮明に覚えています。
鼻唄を歌う心の状況って
余裕があって、穏やかで、
様々な状況をも丸っと包み込むような受容された今を生きている時だと思うんです。
時間に追われてイライラしていたり